Research

細胞内タンパク質の構造を調べる

生命現象の分子論的な理解が進むに従って、生体分子の振舞を、それらが実際に機能している場、すなわち「生きた細胞内」や「生物個体内」において、“その場”観察することの重要性が高まっています。NMRは生体に対する侵襲性が低いため、in vivo 計測に適しています。我々は、細胞内のタンパク質に多次元NMR法を適用することで(in-cell NMR)、その構造やダイナミクスを観察し、試験管内での挙動との違いや、細胞内での生化学反応を研究しています。

In-cell NMR:安定同位体標識したタンパク質を細胞内に導入し、細胞が生きた状態を保ったままで各種のNMR測定を行う。

関連論文

  1.  杤尾豪人 (2016)「細胞内タンパク質の NMR 解析」『化学』(化学同人),71巻,7号,64. Link
  2. Tochio, H. (2012). Tochio H., Watching protein structure at work in living cells using NMR spectroscopy.  Curr Opin Chem Biol., 16, 609-13.
  3. Inomata, K. et al. (2009). High-resolution multi-dimensional NMR spectroscopy of proteins in human cells. Nature, 458, 106-109.

構造解析について/Structural analysis
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